レムシステムではウェブサイトや、ウェブアプリケーションを動かすための基盤であるWebサーバーの構築作業をサービスとして用意しています。

Webサーバーはサイトの構成が記載されたHTMLファイルを配信するサーバーです。HTTP(Hypertext Transfer Protocol)というプロトコルを使用してクライアントと通信します。クライアントはサーバーに対して特定のページやリソース(画像、CSS、JavaScriptなど)の要求を行います。要求を受け取るとクライアントに対してコンテンツを返します。

またHTMLファイルを配信するだけでなくグループウェア社内向けのアプリケーションを稼働させるための基盤としての役割もあります。このような場合には内部的な情報をサーバー内に保存するため信頼性セキュリティを十分に検討する必要があります。

Webサーバーの役割は多岐に渡りますが、実際に構築や導入を行う場合にはどのような業者に相談すれば良いかわからない場合も多いと思います。ウェブサイトを作成する業者にそのまま依頼することも多いと思いますが、業者はデザインがメインで配信するサーバーや設定にはそれほど詳しくありません。実際にウェブデザインの業者から弊社へWebサーバーの構築依頼を多く頂いています。

Webサーバー構築作業のポイント

 Webサーバー構築はここ最近で増えている相談の一つです。Webサーバーは比較的小さな環境だとレンタルサーバーなどのサービスを使用している場合が多いので、普段はそれほど意識することはないかもしれません。

レンタルサーバーも悪くありません。しかし安価なレンタルサーバーは価格を下げるために1台のサーバーに複数のサイトを乗せた形で構成されています。そのため負荷が高いサイトの影響を受けやすく、問題のないサイトのパフォーマンスにも影響します。またセキュリティについてもそれほど意識されている構成ではないためセキュリティを考えたサイトを運用するためには不向きだと言えます。サーバーの選択については規模や実装する機能を検討して最適な選択を行う必要があります。

社内のローカルエリアネットワーク内で利用されることが多いWebベースのアプリケーション1は、インターネット上にあるレンタルサーバーでの運用を行うことはできないため社内ネットワーク内、また社外だとクラウドサービス(VPNなどでクラウドに接続)にサーバーを構築するパターンが多いと思います。社内ネットワークでのウェブサーバー導入については、物理的にサーバーが必要になることが多いためサーバーの性能や構成の検討などで、高価な初期費用がかかる場合があります。
1サイボウズやDeskNet’sなどのグループウェアやウェブメールなどブラウザで利用するアプリケーション

オープンソースソフトウェアで導入費用を削減

 レムシステムではWebサーバー構築には以前から積極的にオープンソースソフトウェアの導入を行なっています。代表的なオープンソースのWebサーバーソフトウェアには、Apache、Nginxなどがあります。オープンソースソフトウェアの多くはプログラムのコードが公開されており、一定のライセンスに従うことで無償で利用できるものが多くあります。(以前はApaceでのWebサーバー構築が多かったのですが、最近はNginxでのWebサーバー構築も増えています。)

オープンソースソフトウェアを利用する理由としては導入費用を安価にできること、多くのエンジニアがソースコードを常に更新しているという安心感が挙げられます。

これらのオープンソースソフトウェアは静的なコンテンツの提供だけでなく、動的なコンテンツを生成するためにバックエンドのプログラムデータベースと連携することもあります。連携するバックエンドのプログラムについてもオープンソースソフトウェアで多くの選択肢があります。

データベースと連携して動作するオープンソースCMS4(WordPressなど)ECサイト作成ツール(EC-CUBEなど)が代表的なプログラムです。データベースサービスもオープンソースソフトウェアの得意とする部分です。高性能なRDBMS5であるMariaDBPostgreSQLなどを利用することが多くなっています。
4コンテンツマネジメントシステム。ウェブサイトを管理するためのツール、WordPressは代表的なオープンソースCMS
5リレーショナルデータベースマネジメントシステム。データベースソフトウェア

クラウドサービス上への構築も多くなっている

 Webサーバーを構築する環境は少し前だと、物理的なサーバーが必要になりましが、最近ではAWSGCPといった物理的なサーバーを必要としないクラウドサービス上にWebサーバーを構築する構成も多くなってきています。

クラウドサービスでは物理的なハードウェアが不要なため初期費用を安価に抑えることができます。また利用した分だけ費用が発生する従量課金制のサービスが殆どになりますので、スモールスタートのサイトやサービスの場合には段階的にクラウド上のサーバーをスペックアップすることでランニングコストを安価にできるというメリットもあります。

ホスティングサービスVPSを利用することもコストを安価にする構成の一つです。レムシステムでは自社サービスとしてVPSを用意していますので、物理的なサーバーを用意することなくサーバーを月額利用料のみで導入することができます。

このように導入先一つをとっても多くの選択肢があります。まずはウェブサーバーに対する要望や実現したいことがら、予算を元に考えてみることをお勧めします。

Webサーバーの構築をおすすめするケース

 ここまでWebサーバーの構築について説明してきましたが、実際にどのような場合にWebサーバー構築のサービスを検討したほうが良いかを紹介します。これまでいただいたお客様のご要望について、いくつか紹介します。もしこのようなご要望がある場合にはWebサーバーの構築を検討しても良いかと思います。

Webサーバー構築サービスをおすすめするケース
  • Webサーバーやサイトを自社で運用したい
  • 停止することがないWebサイトやWebアプリケーションの運用を行いたい
  • WordPressを利用したWebサイトを構築したい
  • EC-CUBEなどを利用して自社で運用するECサイトを作りたい
  • セキュリティとパフォーマンスがしっかりとしたWebサーバーを利用したい
  • 自社内にWebアプリケーションが動作する環境を作成したい
  • スモールスタートで段階的に大きくするコストパフォーマンスの良い構成を導入したい
  • VPSを利用して安価にWebサーバーを構築したい

ここで紹介した内容は全てWebサーバーの構築サービスで対応ができる内容です。Webサイトは集客も大切ですが、しっかりとした構築とサポートが必要です。構築後の運用面についても合わせて検討することで後々、安定した運用が実現できます。

Webサーバー導入時に合わせて考えたいポイント

 Webサーバーはオープンソースソフトウェアによる構成の他にもクラウドサービス上での運用や、セキュリティ機器(WAF:Web Application Firewall)などを組み合わせた構成が一般的です。WAFは機器を購入するとかなり高価になりますが、レムシステムでは安価にWAFを利用できるように月額利用が可能なサービスを用意しています。

 また、外部にサービスを提供しているサーバーが多いことからできる限り停止をしないシステム構築を希望されることもあります。耐障害性の高いサーバー(部分的に二重化されているものなど)とソフトウェアの組み合わせで構成(HA構成: High Availability 高可用性)することができますがかなりコストが高くなります。できるだけサービスを停止させたくない場合はクラウドサービスを利用することで比較的安価にHA構成を導入することができます。
以下のような機能を追加で利用することで、より強固で運用に手間が掛からないシステムになります。

Webサーバー構築作業に追加できるオプション例
  • Webサーバーの障害時に別のサーバーに切り替わる機能(フェイルオーバー)
  • アクセスが多い時間や日時に自動的にサーバーを拡張して対応する機能(オートスケール)
  • 外部からの攻撃を検知して無効化する機能

このようにWebサーバーはにセキュリティ面や運用面で同時に考えたいポイントがあります。後から構成を変更したり、導入することは大変ですので予算があれば導入時に検討をお勧めします。

Webサーバー構築の設計と製品の選定

 安価なレンタルサーバーホスティングサーバーは先にも少し紹介しましたが、コストを下げるために1台のサーバーに複数のサイトが相乗りしているパターンが殆どです。そのためパフォーマンスが思ったように出ないことが多く、セキュリティ面でも機能不足なことから利用目的によっては不向きな場合があります。

Webサーバーの応答時間をGoogleなどの検索エンジンは重要な項目の一つとしています。応答が遅いウェブサイトはそれだけで検索エンジンから嫌われてしまいます。集客のためにウェブサイトを作成したとしてもこれでは本末転倒です。

 応答時間を短くすることはWebサーバーのサイジングを行う上で重要なファクターです。メモリCPUなどどの程度が想定するアクセス数では必要なのかという点や、自社で運営するサービス(例えばECサイトなど)の商品数や想定する応答時間などに合わせて適切なサイジングが必要です。

Webサーバーの導入ではパフォーマンスで問題が発生するケースが多いので、事前のご相談がオススメです。特にウェブサーバーでは、同じような機能を持つソフトウェアのメリットやデメリットをしっかりと確認する必要がありますので、製品の選定には特に気を付けることが重要です。

Webサーバー構築は新規導入だけでなく移行や引っ越しにも

 レムシステムではインターネット、イントラネットなどネットワークロケーションに関わらずWebサーバーの構築作業を多く行っています。構築だけでなくリースアップした機器の入れ替え(リプレース)や、運用中のWebサーバーからのデータ移行やサーバーの引越しも経験が豊富にあります。

Webサーバーの導入にあたってはバックアップによるデータの保全性、サーバーの配置場所や、セキュリティなど様々な検討が必要になります。最近は物理的なサーバーからクラウドへの移行が多くなってきています。このような外部クラウドへのサーバー移行についても重要な検討事項の一つです。
Webサーバーの導入や移行について、分からないことや悩んでいる点があれば、お気軽にご相談下さい。

もし自社でWebサーバーを構築してみたいという場合には、具体的な構築手順技術ブログで公開しています。Linuxに操作に詳しいユーザー様であれば、ブログの記事をみて自社で構築を行っていただくこともできます。Webサーバーといっても自社サーバーにこだわることはなく、クラウドサービスSaaSを組み合わせた最適な構成が可能です。

 Webサーバーの導入費用については、お客様の環境に合わせたカスタムプランを前提としていることから、ヒアリングさせていただいたのちのお見積りとなります。お電話やメールでヒアリングさせていただきます。御見積書のご提示までは無料で全国対応しています。